貴志川工業の加工技術

貴志川工業株式会社は、高度な技術で、高付加価値な製品を提供します。

加工技術

当社は、ニット生地なかでも、天然素材、綿・麻の高級品のシルケット加工を得意としていますが、加工技術へのニーズはますます多様になっているため、ソフトな風合いの「シルホープ」加工から、レギュラーレーヨンに対応した「レーヨンシル」加工まで、加工のバリエーションを増やし、ますます多様化する加工技術へのご要望にお応えしています。こうした当社の製品づくりに対しては、「高級品は、貴志川工業で」と得意先からも好評をいただいております。

しかし、さらに商品価値を高め、ハイレベルで安定した製品を提供するために、特殊加工の技術開発はもとより特殊な複合素材やストレッチ素材など、加工の難易度が高いとされている素材を安定して加工できる技術のレベルアップにも努めています。

設備においては、東洋紡、シキボウをはじめとする紡績メーカーが開発する特化素材、特殊加工を試験加工できる高い技術と設備、管理能力を備えています。

生産設備

当社では、業界に先駆けて生産設備のコンピュータ化と工程管理システム化に取り組み、生産面からもさまざまな得意先ニーズに対応してきました。さらに、高度な加工、品質の安定化、納期管理の徹底を図るため、各工程で生産設備を増強、生産の自動化と省力化に取り組んでいきます。

納期管理は、コンピュータを利用した的確な染色予定管理と、バーコードシステムを利用した進捗管理システムで、投入から包装までの工程を管理しています。仕上がった反物もバーコードシステムによる管理を行っています。また、技術研究やビーカーワークなど開発部でもコンピュータは多用されています。

このほかにもオープンシルケット機の導入、晒部門の自動化など高品質な製品づくりのための生産ラインの拡充には力を入れてきました。さらに、高圧新型染色機の導入、仕上設備増強により、加工技術の変化に対応できるように取り組んでいます。同時に投入および検査・巻取工程に冷暖房設備を導入、他の工程にもスポットクーラーを設備するなど、機械設備だけでなく、社員の作業環境の改善にも積極的に取り組んでいます。

技術開発

消費者ニーズの個性化・多様化にともなう新素材や差別化商品といった紡績・アパレル業界の動向に対応した新技術の開発、中国をはじめとする海外製品や低価格商品との差別化を図るための、機能性・風合いに優れた特化商品の開発など、当社は技術研究においても新しい分野に積極的にチャレンジしています。

これまでに得意先のさまざまな要望に応えていくなかから生まれた技術は数多くありますが、ますます高度化する多機能商品や複合素材への要求に対応できる加工技術の開発、すなわち品質に加え独自性に優れ、安定した技術の開発が求められています。当社では、こうした技術研究の分野を強化し、高級品づくりにおける技術領域を拡大していきたいと考えています。

技術研究と同時に得意先からの発注内容にもとづいてサンプルデータを作成するビーカーワークも行っています。コンピュータカラーマッチングシステム(CCM)をはじめ、最新のラボ設備を導入し、染色・仕上加工における多様な要望をより正確に再現しています。また、ビーカーワークでは物性面での堅牢度を重視し、染料・薬品の選択においても安全性・衛生面を確認しています。「求められる品質を超えて、新しい価値を付加する」という技術テーマのもと技術研鑽を重ねています。